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自己と語り

最近、出会い運がいい。
学会や研究会では、必ず誰かと知り合い学ぶことができている。

今日会ったMさんとの話も刺激的だった。

統合失調症患者が自分の中の妄想を人前で語ることで、妄想を持ちながらも社会と齟齬をきたさず生きていくことができるようになるという話。いわゆる「ナラティヴ」の議論なのだが、妄想という社会的には問題視されるものを、否定するのではなく、それでも社会と調和しながら生きるという第3の道の可能性を、宗教と医療のこれまた「あいだ」で探っているのが面白い。

「ビューティフル・マインド」でも、主人公が最後まで無視しても無視しても妄想たちは消えなかったっけ。
(これから観る人ごめんなさい)

「妄想」がいったい何なのか素人の僕にはわからないけど、語ることによって社会と調和を図るというのは、よく考えてみれば僕も毎日のようにやっていることかもしれない。

ずっと感じ続けている社会とのズレのようなものと、それについて自分の中で思考していること。
内にあるうちはずっと僕は社会とズレながらしか生きていけないはずだけれど、自分の思考内容を外部に語ったり、書いたりすることで、そのズレ感が少し解消されるような気がする。
いや、解消されるというより、ズレているということを社会的に表明しているときにはもうすでにズレていないという矛盾がズレを「笑う」。
だから、僕は、語り続け書き続けるこの道を選ぼうとしているのかもしれない。

そのとき、内容は実はそれほど重要ではない。
話すこと、書くことという行為そのものが僕にとっての「救い」や「癒し」となっている。
僕という存在自体がテキスト化していくかのような錯覚。

それでも、この空っぽの入れ物に入っているあまり上等ではない内容物について一生懸命セールスするよりは、少しはましじゃない?

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