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衝撃

『華氏911』を観にいった。

かなり期待していたのだが、それをはるかに凌ぐ内容で、衝撃。
後半はただただ涙を流しながら、雷に打たれたみたいで(打たれたことはないけど)、この映画が永遠に終わらなければいいとばかり願っていた。

マイケル・ムーアは前作でもそうだったけど、ちっぽけな個人にはどうにもできないとっても大きな物語を、非常にローカルでマイクロな視点から鮮明に描き出す。
イラク派兵や、合衆国政府とブッシュへの批判という聞き飽きたストーリーは、テキサスの小さな町から送られた若い兵士が命を失ったことについての家族の語りを通してみると、リアルでヴィヴィッドでそして、ある種悲しいくらいにユーモラスなのだ。

ところが、ここまでならうまいドキュメンタリー映画におさまるのだけど(それだけでも十分すごいのだけれど)、さらにすばらしいのは、結局大きな物語と個別の語りがかみ合わないままズレ続けているという悲劇に対して、彼お得意の「突撃」が大きな物語すら語りの一種に変容させていき、そこに僕たちは希望を見出すことができるのだということ。

政治や思想とは関係なしにいい映画だと思うけれども、僕個人としてはマイケル・ムーアの泥臭さをたっぷり嗅ぎ取ることによって、知的な遊戯から何かしらのアクトに向かうべきなんだというエールとして捉えたいし、そう捉えた。

みんなに「Do something」と胸を張っていえる人になりたい。
まるで子供が野球選手やパイロットになりたいと澄んだ眼で語るように、僕もそう語るしかない。
いろいろ批判もあるのかもしれないが、今夜は敬服と脱帽。

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