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休暇でこいよ

体調が復活したので、それなりに調査が進む。

今回は、これまで欠落していた情報や資料の補充目的が強い。
20代の大部分を費やして追いかけてきた、フィリピン地方都市の信仰と知識についてのプロジェクトの終点が少し先に見えてきたような気がする(っていうか、終わらせる)。

(多分説明が悪かったからだろうが)始めのころは僕が何をしようとしているのかまったく理解してくれなかったこの町の人たちも、最近は少し興味を持ってくれるようになってきた。「今回は何の調査をするの?」と聞かれることもよくある。それと同時に、「調査はこれで終わりか?」と聞かれることも増えてきた。

僕は「博士論文(または本)を書くための調査でロハスに通っている」というのが、彼/彼女らの一番シンプルな理解だと思う。この町に家族がいたりビジネスがある人たちとは違って、それは僕の通いが「期限付き」だということを意味してもいる。

昨日、久しぶりに会った友人と話していたら、やはり「もう調査は終わりか?帰ってこないのか?」という話になった。隠すことでもないので、「調査は終わりに近づいていて、今年中には博士論文を書こうと思っている」と伝えると、「じゃあ、次からは休暇でこいよ」と。

少し、不思議な気がした。まず、健全な社会人から見れば休暇にしかみえない僕のフィールドワークが休暇ではないということ。次に、この町では調査をして休暇は別の島のビーチで、というのが僕のスタイルだったから。そして、そういえば、何だかんだいってもこの町に僕がいるのは博士論文という目的のための手段であって、そういうのを抜きで休暇を楽しんだことなどなかったなということ。

人類学者の中には若いころ(多くは院生のとき)長期でフィールドワークを行い、その後そのフィールドには短期で通ったり、またもう戻らない人もいる。就職という人生の大事なファクターを考慮に入れれば、それはまったく非難されることではないのだろう。そして、僕にしても、どれだけ「僕の家族」とか「フィリピンの友人」と言葉を飾りたててみても、そういう自分の人生プロセスにおける目的合理的な位置づけからロハスが引き剥がされることはない。

この先僕がどうなるのかなんてわからないし、これからも通い続けるのか、どこかでやめてしまうのか、(あるいは研究人生に失敗してフィリピンで余生を過ごすのか)わからないけれど、人生のある時期(それもきっといい方の時期)にコミットした人や場所とその記憶の位置づけかたを考える時がいつか来るんだろうなという気がした。

もちろん、できれば、休暇にも最高のこの町に帰り続ける(いろいろな意味での)余裕を持ち続けられるのがいいのだけれども。

今日はこれから、友達の誕生日パーティー。絶対すっげー酔っ払う。

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Posted by: ugg usa | November 24, 2013 02:42 AM

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