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執筆中の随想

暑い午後には、家で論文を書くのが心地好い。うそ。

今回の原稿は、構成にはそれほど時間がかからなかった。それもそのはず、このネタで計4回も発表している。一時帰国中、フィリピンの学会で、日本のフィリピン研究会で、そして今年の国際学会で。その度に、コメントとバージョンアップのいい相互影響で、われながらなかなかクリアな論に仕上がってきていると思う。ただ、初めの頃のバージョンを見直して思ったのは、論に直接関係の無いものや、むしろ反対の事例となっているものがたくさん盛り込まれているということ。フィールドワーク中の雑多な感覚のまま、無理やり詰め込んだ感じもするが、その中に面白いものを再発見して復活させるか悩んだりする。

そうなると、あのフィールドノーツ紙片との格闘がまた始まる。もちろんデジタルデータでも保存しているのだが、ある一定以上の枚数を超えた場合、どうもプリントアウトしたものの方が早いようなので。それでもA42000枚(原稿用紙にして6000枚以上!)ある雑多な情報の中から、必要なものを探し出すのは容易ではない。意地でもフィールドでPC入力しておいたことや、帰国後に文句をたれながらインデックスを作っておいたことを今更ながら良かったとおもう。

(これからフィールドに行く仲間たちへ、PC入力とIndex化はフィールドでぜひやっておいてください。絶対に損はしません。ま、電気が無かったりしたらしかたないけれど)

ノーツとインデックスを見直しながら思ったのは、フィールドで自分が向き合っていたものが、時間と共に推移していく様子がかなりはっきりしているということ。例えば、今回のネタのカリスマ刷新運動はフィールドの前半のほとんどを占めているのに対し、後半は呪医のことばかり。意図的にそうした部分もあるのだろうが、やはり「みんないらっしゃい、一緒に祈ろうよ」的なカリスマ刷新運動と、病気や呪いといった陰鬱なものを扱い秘儀的な要素の強い呪医では、参加(潜入?)までの時間に差が出るということなのだろう。

今回の原稿で、博論の骨子となる原稿は書き上げたことになる。あとは、ディテールを加えながら、各部の有機的連結についての作業。そして、それがきっと一番しんどい。カリスマと呪医と、そして結局あまりよく分からなかったアスワン(それでも僕のほとんどの業績を占める)の3部構成から、いかにしてクリアな論を展開できるか。いいたいことは大筋で決まっているのだが、そこまでたどり着けるのでしょうか。

とりあえず、あと数日はこの原稿に没頭することにしよう。

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