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2つのクリスマス

フィリピンのクリスマスが、過ぎていった。

僕は日本人の政治学者のおかげで、マニラで2つのローカルなパーティーに参加することができた。1つは典型的な中産階級家庭のパーティー、もう1つは不法占拠地区で暮らす貧困層の家庭でのパーティー。

多彩な国際的要素を家庭のうちに抱えた中産階級のファミリーには綺麗で可愛い犬が2匹もいて、見た目も美しい食事を食べながら交わされる会話がとても知的で、でも硬すぎなくてなくて、少しお酒も飲みながら、穏やかで幸せな雰囲気を感じることができた。その後、貧困層のお家を訪ねると、まずは爆竹の洗礼を受けて、近所の人たちに混じって踊って歌って、そしてとても強烈な安ブランデーと栄養ドリンクの回し飲みをして、あっという間に24時のクリスマスを迎えていた。その家庭でも、今度は豚と鶏の肉料理がずらっと並ぶご馳走をいただいて、カロリーを気にしながらもとても満ち足りた気分で帰途に着いた。

ところで、幸運にも2つの幸せなパーティーに招かれた日本人の政治学者と人類学者たちは、いつもの悪い癖でやっぱり事態を分析し始めてしまった。1人は、フィリピンの中産階級と貧困層の間には断絶があって、公共圏が二重化しているという。1人は、いやそんな断絶はむしろ研究者が読み込むもので、貧困層の中にも分裂はあって、要はどこに恣意的な線を引くかという問題だという。僕はといえば、確かに誰と誰の間にも分裂はあって、でもやはり中産階級と貧困層の間の溝は何かしら深く思わるなどと日和見な態度だった。でも、研究者が何を語ろうと、2つの家庭で僕たちが経験することができたクリスマスの家族の幸福な時間は、社会階層や公共性といった小難しい問題とは別の次元で確かにそこにあった、などと考えるのは世離れしすぎだろうか。

断絶といえば、今僕がいるロハスの地方性とか田舎っぽさと、首都マニラの色々な意味での都会的な雰囲気とが一番断絶しているのではないか、という気もしている。

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マニラ、Philicoaからみるイヴの夕日。

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中産階級のご馳走。

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猫派の僕も、すっかり彼女のキュートさにはやられてしまった。

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不法占拠地区の肉と酒とケーキ。

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どの家庭でも積まれたプレゼントは心を温かくする。

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Comments

そのパーティ、混ぜてもらいたかった…

その議論、加えてもらいたかった…

いいなあ。

まあ、僕は東京の小さな教会で昔々の仲間も加えてこじんまりクリスマスを満喫できたので、まあ贅沢言うまい…。というか、日本のクリスマスだって、けっこう断絶だらけかもしれませんよ(消費資本主義の差別化作用の極致??なんて穿ちすぎか)。だから、こっちにいるほうがさびしい感じがするのかもしれない。

Posted by: Sammy | December 26, 2007 08:47 PM

久しぶり~。フィリピンでのクリスマス、素敵だね。しかも二度も!私には遠い世界のようだけどここでの日記を読んでちょっとだけ疑似体験させてもらえます。でも今回のお正月は、例のパエリヤパーティをメキシコ人も交えて少し国際派っぽくやる予定です♪けんちゃんも良い年末年始を過ごしてね!!

Posted by: じんじん | December 26, 2007 11:17 PM

初めての書き込み失礼します。

素敵なレポートありがとうございました。

私はフィリピンには一度だけ熱気球の大会で訪れたことがあるのですが、確か5つ星のマニラ・ホテル(?)と、クラーク・シティという町のホリデイ・インに泊まり、文字通り、周囲から完全に隔絶されたリゾートであることに非常に衝撃を受けました。
ジープニーの走る埃っぽい雑踏や、現地クルーの小ぢんまりした民家、そして有名なごみの山などとは対照的な、小奇麗で高級な空間…
まあ、難しいことはよく分かりませんが、日本にいても格差社会は身にしみて感じます。

Posted by: gumami | December 27, 2007 01:21 AM

>Sammyさん

僕も、あなたがいたらまた少し違った議論になるのでは、と思っていました。昨日フィリピン人の友達と話していて、思った以上にサンタクロースが根付いているのに驚きました。あれは、無宗教で消費的な日本のクリスマスだからこそ根付くのだと思っていたのに。ともあれ、よいお年を。

>じんじんさん

恒例の正月パエリアパーティーを、メキシコ人と!楽しそうですね。世界のどこにいても、やはりクリスマスと新年は楽しいなぁ。よいお年を。

>gumamiさん

はじめまして。何よりも「熱気球の大会」というのがすごいですね。乗るほうなのかな。高所恐怖症の僕には無理だけど。

日本の格差問題とは違うと感じるのは、フィリピンの貧困層がもちろん問題をたくさん抱えながら、圧倒的に元気で力強いことです。よいお年を!

Posted by: azuma | December 27, 2007 03:26 PM

デパートを中心にみると、マニラの「消費文化」は、この10年で、確実に「宗教色(要はキリスト教色)」が薄くなったように感じます。

書店などを見ると、まだまだクリスマスになると聖書やらキリスト教書やらのコーナーに本が山積みになったり、アクセサリーコーナーに聖書の言葉のものがたくさんあったりしますが、かつてはマニラのミュージックシーンの一角を占めていたPraise & WorshipやCCM(Contemporary Christian Music)というボーン・アゲイン系(つまりプロテスタント福音派+カトリック・プロテスタント両方のカリスマ派の流れ)の音楽は、今やすっかり影をひそめていますね。

とは言え、昨年の福音派系の出版物Purpose Driven Lifeのビッグヒットなど、まだまだやっぱりあまり変わらない部分も感じますけれど。

1月6日までは教会暦上はクリスマスシーズンなので、そちらは何となくそういうムードのままでしょう。東京は…電飾の残骸くらいしかその名残もありません。

うちの牧師も、「1月6日まではクリスマスの飾りをしていていいんだけど、どうせ、片付け忘れてる怠け者の教会、と思われるだけだろうから…」と片付けることにしていました…。

ともあれ、enjoy your stay!

Posted by: Sammy | December 28, 2007 06:14 PM

すっごく楽しそう^^
美味しいものも食べられたみたいで・・・
わんちゃん可愛い♡

Posted by: Mikarin | December 28, 2007 10:16 PM

>Sammyさん

こちらもクリスマスはすっかり過ぎ去って、新年を迎える雰囲気が充満していますよ。フライングの爆竹の音と共に…。

>Mikarinさん

ちょっと、こっちに来てから食べすぎです。日本を脱出して、正月太りを避けられるはずだったのに。

僕は猫派ですが、犬も可愛いものですね!

Posted by: azuma | December 30, 2007 07:22 PM

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