« 軽率な人類学者 | Main | マニラにて »

2つの世界

ホストファミリーと別れ、1人ロハスからボラカイに移動。また、この楽園リゾートにやってきた。新年を過ごした観光客の名残だろうか、島の人口密度がいつもより高く感じられる。

ロハスでのフィールドノーツや資料の整理を片付けて、島の中をブラブラ歩き回る。前回も気になった、ビーチ沿いの「観光圏」とメインロードより奥の「生活圏」のコントラストが、ハイピーク・シーズンにはより一層際立っている。

2つの世界が、どのように断絶していて、そしてどのように接合しているか。ボラカイでの調査はどうやらその辺りから始まりそうだと思っていたら、相変わらず幸運にも、絶好のフィールドにアクセスすることができた。それは、とあるダイビングショップ。そこで勤務する日本人スタッフCさんがゲートキーパーになってくれたおかげで、僕は日本人ダイバーとフィリピン人スタッフの両方とコンタクトすることができた。

ある日本人の女性ダイバーにインタヴューをする。ボラカイへのリピートを重ねることによって、この島が自分にとって居心地のいい場所になっていくのと同時に、日本での生活がむしろ窮屈なものに感じられていく。そこにみられるのは、労働の合間の休息としての余暇ではなく、むしろ余暇のためにこそ労働があるという逆転現象。日常と非日常の価値観が転倒するあり方。とても興味深く聞かせてもらった。

日本人ダイバーの方々に誘われて、1人1500円ほどのギリシャ料理を食べた後は、フィリピン人スタッフと1本100円もしない安いジンGinebraの回し飲み。この島の地域言語はアクラノンだが、イロンゴもよく通じる。言葉が通じて酒を酌み交わせば、僕より若い恥ずかしがりの彼らも饒舌に語りだす。仕事のこと、恋のこと、そして日本人観光客との関係について、酔っ払いながらも興味深く聞かせてもらった。その後、朝3時まで飲み歩いたのは誤算だったけれども。

数年前のロハスでの長期フィールドワーク中、ボラカイは僕にとって束の間の逃避の場所だった。そこでフィールドワークをすることに、これまでは何か違和感を覚えていたが、今回は少し先に光が見えたような気がする。1つ1つの見ることや聞くことが新鮮で面白いと感じる、あのフィールド初期の感覚。すっかり慣れてしまったロハス調査への刺激の意味でも、ボラカイ調査を並行して続けてみようと思う。ロハスとボラカイ、そしてボラカイの観光と生活という二重の意味での「2つの世界」を往来しながら。

P1010446

ボラカイの白浜ビーチ

P1010505_2

今回の滞在では夕日に恵まれた

P1010456_2

メインロード沿いの生活圏

P1010480

Ginebraに粉ジュースを混ぜて回し飲み

|

« 軽率な人類学者 | Main | マニラにて »

Comments

とっても素敵な写真ですね^^
すごく綺麗☆
私もこんな景色を見てみたい♪って思ってしまいました。
2つの世界かぁ~。
Azumaさんは、色んな世界を知っているのですね。
羨ましいです。
私は世界を1人で渡り歩くには、まだまだ不安が沢山ですから・・・。
旅の続きを楽しみにしてます。

Posted by: Mikarin | January 06, 2008 08:43 PM

牡蠣喰って、ビール飲んで、白いビーチ…いいぞフィリピン。フィールド変更したら怒られますかね?!うらやましすぎます。

荒熊@カラッカラに乾燥したアフリカでRiz Gras(脂飯)をかけこみながら…

Posted by: 荒熊 | January 07, 2008 11:07 PM

>荒熊さん

ぜひフィールド変更してください。牡蠣とビールでお待ちしています。某侍さんは徹底的にお腹を壊しましたが(笑)。

僕も、一度はそちらの大陸のどこかを経験してみたいです。でも、注射が怖いのがネックです(涙)。

Posted by: azuma | January 12, 2008 06:19 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 2つの世界:

« 軽率な人類学者 | Main | マニラにて »