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内定餃子

今年度、ゼミの4年生達は、予想外に早々と内々定を獲得し、就職活動を終えた。

そして、昨日はそのお祝いの餃子パーティー。研究室ではいつも鍋やお好み焼きをしているけれど、餃子は新たな試み。皮から作る本格餃子は、期待の中国人留学生が欠席のためどうなることかと心配だったが、見事においしく大量に出来上がった。同僚の先生も招いて、素敵なお祝いになったのではないだろうか。一緒に二次会に行って、家にたどり着いた頃には空が明るかった。そして、今日の研究室には、まだ若干の餃子臭が残っている。

僕はいわゆる通常の「就活」というものを経験していないので、それがどんなゲームで、どんなルールなのか、そしてそこにはどのようなノウハウやテクニックがあるのか、正直よくわからない。でも彼/女らの「成功」が、望む未来に向けて自分の姿を投影しながら、そこに生じる問題を解決するために取り組んでいくというまっとうな努力の結果であることに喜びを感じる。文化人類学なんて、世の中で一番役に立たなさそうなゼミを運営する上で、学生の進路は僕の大きな心配事だったのだが、この2年間を見る限りゼミ生たちは僕が心配してもしなくても自分で何とかしていくということが分かって安心した。

これから卒業までに、この人たちと一緒にしたいこと。就職して、生きていくために心と体をすり減らしながら労働していく中で、<いまここ>にある自分が<もしかしたらそうではなかったかもしれない可能性>を想像できるきっかけになるような、そんなユートピア的な場所の記憶をもっともっと増やしていきたい。卒論も、フィールドワークも、そんな記憶となる限りにおいて価値があるのではないか。どんなに酷使しなければならなくても、魂の自由さだけは失わないでいられるように。「社会」人でありながら、「世界」を思い描けるように。

皮をこねる。

タネもこねる。

皮に包む。

焼く。

形はやや不揃いだけれど、おいしく出来上がり。

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Comments

僕らが大学生のころに比べると、就職活動はだいぶ楽になったな、と思います。基本的なはがきの発送作業(しかも全部手書きが良しとされていました)、OB訪問(最近禁止されている企業もあると聴きます)etc… 

僕自身はとても楽しかった時期でもありました。でも、今考えると、就職活動は「大人になること」の通過儀礼のような一面があり、そして、「大人になること」は「何かをあきらめること」とかいう人が多かったようにも思います。確かに、会社はある程度「自分」を殺し、打算的に人と付き合う術を押し付けてきますが、そこに自分を押し込めてしまうかどうかは自分次第。それを受け入れてさらにそのシステムを飼いならすことができれば、大学よりも自由な時間もお金も、やりがいも得られたように思います。

けんたろうさんのゼミで、どこでも楽しく生きられる環境を自分で作り出せるインテリジェンスとたくましさを持った若者がより多く育ちますように。

Posted by: 荒熊 | June 18, 2008 11:42 AM

>荒熊さん

こんにちは。コメントありがとうございます。

確かに、あまりよく知らない僕からみても、就活は変わりました。楽になったというより、むしろ情報の流通と氾濫によってゲーム化と攻略が激化したというか。

「どこでも楽しく生きられる環境を自分で作り出せるインテリジェンスとたくましさ」、まさにそれこそ僕たちが目指すものでしょう。どの世界でもどの状況であっても。

Posted by: azuma | June 18, 2008 11:54 AM

タイトルがなぜか「内館牧子」に見えた

Posted by: ノリタケ | June 18, 2008 01:58 PM

>ノリタケさん

あまり関係ないですが、あの人、宗教学の修士とって大学で教えているんですね。

Posted by: azuma | June 18, 2008 04:17 PM

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