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学会分科会

4時間も卓球したり、ゼミ生の家で宮崎牛をご馳走になったりしながら、少しずつ発表準備を進めた。

今週末の文化人類学会では、分科会で発表します。僕の無茶な呼びかけに対して、発表者もコメンテーターもチャーミングに応答してくれました。初日30日午後1:00からB会場です。ぜひ聞きにきてくださいね。以下、分科会の趣旨文を掲載しておきます。

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分科会:「ミステリーの人類学」

代表者:東賢太朗(宮崎公立大学)
発表者:東賢太朗(宮崎公立大学)
   :神谷良法(名古屋大学大学院)
   :岩谷彩子(広島大学)
   :片岡樹(京都大学)
コメンテーター:綾部真雄(首都大学東京)
       :春日直樹(大阪大学)   

 人類学(者)はフィールドにおいて、フィールドワークによって、結局のところ何をしているのだろうか。そんな漠然とした、けれどもとても根源的な問いに対して、それは「謎や秘密、不思議と驚きを追い求めているのだ」、ととりあえず答えてみることから、本分科会を始めてみたい。
 それは違うだろう、人類学が求めるのは事実だ、情報だ、現象だ、という反論がすぐに寄せられるであろうことは承知である。そして、それはある意味正しい。事実も情報も現象も、人類学にとって枢要であることは認めよう。だが、はたしてそれだけで十分なのだろうか。
 そのことを考える上で、人類学のアレゴリーとして、ミステリーやファンタジー、またSFといったフィクションを捉えることは何かの手がかりになるだろうか。人類学の重視する事実や情報や現象とは一定の距離を置きながらも、それらはそれら独自のリアリティを構築してもいる。謎や秘密や不思議や驚きに満ち溢れた世界観の中で、むしろその中においてこそ立ち現れてくるフィクション的なリアリティである。
 一方で人類学においては、対象へのエキゾティシズムやロマンティシズム、あるいはフィールドワークやエスノグラフィーの認識論と政治性など、その本来的な虚構性について批判的な議論が繰り返し行われてきた。それは、人類学がすでにリアリティとフィクションの境界の狭間にあることを表しているだろう。
 そこで、本分科会では、事実と情報と現象というアルファオメガから零れ落ちてしまった人類学における謎や秘密、不思議と驚きをもう一度拾い集めてみたい。それは、これまで行われてきたような、象徴や合理性に依拠した「わかる」ための試みではなく、「わからなさ」に身を添わせることによる新たな地平への展望である。そのために具体的には、人類学とフィクションとの関係、フィールドワークのプロセスにおけるフィクションとリアリティ、そして調査対象自体に内在するミステリーといった問題系に着目する。
 なお、本分科会でいうところの「ミステリー」とは、謎、秘密、不思議、驚きといった人類学におけるミステリーを意味しつつ、ファンタジーやSFまで幅広く含むミステリーというフィクションのジャンルも含意している。また、本分科会の構想は、綾部真雄氏の刺激的な論考(綾部真雄「虚構に学ぶ」成蹊大学文学部学会編『ミステリーが生まれる』風間書房、2008年)に大きく触発され生み出されたものであることを付け加えておく。

キーワード:ミステリー、リアリティ、フィクション、人類学

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Comments

ども!分科会いきます!

 おいらも準備中です!


「謎や秘密、不思議と驚きを追い求めているのだ」、ととりあえず答えてみることから、本分科会を始めてみたい。
 それは違うだろう、人類学が求めるのは事実だ、情報だ、現象だ、という反論がすぐに寄せられるであろうことは承知である。そして、それはある意味正しい。事実も情報も現象も、人類学にとって枢要であることは認めよう。だが、はたしてそれだけで十分なのだろうか。

 十分ではないだろう!「事実」とはいったい誰にとっての事実で、そこには人類学者、記述する側の人間としての解釈が当然介入する。またファンタジーもいったい誰にとってのファンタジーなのかを考えなければならない。
 解釈者と被解釈者の感性のせめぎ合い、いや、混在がそもそも人類学であるはずである!
 AZUMAさんの問いはまさに「人類学的な」問にふさわしいものだと思いますよ。楽しみにしております。
 私も最近の応用人類学批判をちょっとしてみようかと思っております。
でも、やっぱちょっと真面目だなあ。

 また飲み会頼みます!

Posted by: masa | May 26, 2009 09:03 PM

>masa

発表準備、お疲れさま。僕も、最後の詰めで苦しんでいます。お互い、面白い発表になるといいね。

中止理由がアレなので、今回は大人数の飲み会を企画するのは微妙かもしれません。当日のノリで。

Posted by: azuma | May 27, 2009 03:50 PM

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