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ロハス滞在記

気づくと、今回のフィリピン調査も残り1週間。今は、最終目的地のボラカイ島にいるのだが、あまりに過ぎていく時間が早くて、フィールドノートや写真の整理など全く追いついていない。とりあえず、イロイロのあとに滞在したロハスの記録。

今回のロハスは、3年と4年のゼミ生と一緒だった。これまで何度も、友人や後輩、ゼミ生を連れてロハスを訪れているが、1人でいるときとはまた違う人や場所の表情を見ることができるから面白い。宿泊は、僕はいつもの滞在先へ、ゼミ生2人は友人宅にということになった。ロハスでは僕は基本的にイロンゴ(ヒリガイノン)で会話をするが、ゼミ生2人は英語が中心のコミュニケーションになる。僕が不在時には、これまで一度も英語を話しているのを聞いたことのないロハスの友人たちが、英語でゼミ生達と話をしてくれている(らしい)。僕がイロンゴ学習中には、だれも英語で説明なんてしてくれなかったのに。

あるいは、ロハスにはじめて来たころ、まだ大学院生だった僕が就職して大学教員になり、自分の学生をロハス連れて行くという年数回のルーティーンが確立しつつあるということに気づいた友人達の対応も興味深い。「俺は今、叔母さんからもらったこの土地に、自分の家を建てているんだ」と長年の友人Bがいう。「へぇ、だってまだ求職中で独身(つまりIstambay)なんだし、今までどおり叔母さんの家で居候すればいいじゃん」と僕がいうと、「いやぁ、やっぱりお客さんが来たとき、自分の家があった方が泊まれていいだろう」とB。「そんなに、お客さんは頻繁に泊まりに来るの?」と聞いたら、「お前の学生が、ほら、これからも」という答え。まあ、Bが最近出来た彼女とうまくいっているという裏情報を差し引いても、彼の発言はありがたく、申し訳なく、またうれしくもあった。もちろん安いホテルに泊まればいいんだろうし、もし人数が多くなればその選択しか残されていないのだろうが、僕が持ち込む負担を少しでも引き受けようとしてくれる気持ちがありがたかった。

ロハスでの短い滞在は、自分の調査より、ゼミ生2人のフィールドワークの補助で過ぎていった。Bに頼んで、3年ゼミ生を大学やストリートでバスケットボールをしているところに連れて行ってもらったり、養護学校で勤務している青年海外協力隊員の方に、4年ゼミ生に小学校の先生や日比ファミリーを紹介してもらったり(Tさん、ありがとうございました!!)。実際、どの程度の成果が出たのかは帰国してからの彼らの発表や論文を見るまでわからないが、やはりフィールフドワークではネットワークがとても重要だということ、わかってもらえたのではないだろうか。

出発の前日は、昨年度ニワトリを自分の手で殺した4年ゼミ生が、今年は「ぜひとも豚を」というみんなのリクエストに応えて、見事に豚の喉を切り裂いて、レチョン(豚の丸焼き)1匹を用意する豪勢なお別れ会になった。午前中から、お湯を沸かして、豚を殺して、毛を剃って、内臓を処理して、丸焼きをするというレチョン作りの全てのプロセスを観察することができた。もう何度も見ている作業だが、彼らが淡々と何事も無く生きている豚を丸焼きにしていく様子から、改めて生きることとは食べることなんだという認識を強くした。そして、夜はビールやラム酒、ヤシ酒で予想通り酔っ払って過ぎていった。何度も何度も繰り返した、「さようなら、また会いましょう」の儀式。ゼミ生2人にとっても、ロハスが少しでも特別な場所になってくれればと願う。

その他、2010年選挙に向けて強烈な資金提供のお願いを受けたり(数万円出してくれたら、街路灯を12本立てて、そのすべてに「東博士の寄付」と記すというもの)、数年前までは全く表に出ていなかったイスラームのラマダーンのお祝いが、ロハスでやけに目に付いたり(現大統領グロリアのカトリックとイスラームの融和政策の一環だという)、やはり通えば通うほど、少しずつこの地方都市にも変化は起きている。時期、副大統領就任が期待されるMar Roxasの出身地として、ロハスはもう少しメジャーな町になっていくのだろうか。

今回やり残したことは多いけれど、それは数ヵ月後きっと戻ってくるそのときに。また会いましょう。

かわいそうな豚は…

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丸焼きになりましたとさ。

2


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Tracked on October 05, 2009 02:51 PM

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