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ローシーズンのボラカイで

久しぶりにスキューバで潜ったら、そのポイントには、実はたくさんのワニが潜んでいて、一人一人と沈んでくるダイバー達を海底で待ち構えていた。僕は知らなかったのだけれど、ワニって垂直になると人間のような姿をしていて、彼らはこっそり背後からダイバーに近づいて、そしてギュッと抱きしめる。身動きの取れないダイバーたちは、静かにワニに抱きしめられたまま静かに死にいたった。次々と人間みたいなワニの抱擁の中で息絶えるダイバーを眺めながら、なぜか僕だけ、僕一人だけがワニからの攻撃を受けない理由はなぜだろう、と考えていたら目が覚めた。

夢分析は明らかに、シルバーウィークも終わり、ここボラカイの日本人観光客の数が激減しているのにもかかわらず、僕はまだこの島に残っていることへの違和感だろうか。それにしても、観光地のホストたちの傍らで眺めていると、連休の日本人観光客の大量の流れって不思議な感じがする。

ところで、今ボラカイは明らかにローシーズン。風はビーチ側からメインロードに強く吹きこみ、ホワイトビーチには風除けが立てられ景観は台無し。雨が降ったり曇り続きで、ボラカイ名物の夕陽すら一度も見ていない。雨の合間を縫ってホワイトビーチを歩いたら、ビーチには当たり前ながら誰もいなくて、いつもは少しうっとおしいくらいの客引きも声をかけてこなかった。ビーチに並ぶセールボートも島の裏側に引き上げている。曇天のビーチの写真をパシャパシャと撮影する僕を不思議そうに眺めるフィリピン人たち。昨日は台風が来て暴風雨で、ビーチを歩くことさえままならない状況だった。

ホストにもゲストにも申し訳ないが、僕にとって今回、コンディション的にはボラカイがもっとも醜く映るこの時期に、しばらく滞在できたのは大きな収穫だった。観光客の期待とホスト側の事情のすれ違いや、自然環境や天候に大きく左右されるビーチの魅力と価値など、いわば事前に予測不能、最終的には制御不可能なギャンブル性の中に、ビーチリゾートの「遊び」の要素を見出すことが出来るかもしれない。一度もサンセットを目にすることが出来なくても、天候不良で船や飛行機が運航せずスケジュールが遅れても、それでもある種の満足感を得て島を出て行く人たち、「楽しかった」と送られてくるメール、「また来ます」というリピート宣言など、どうやら想定内のルーティーンから抜け出すこと自体を楽しんでいるのではないかという気がしてくる。もちろん、不平や不満はあるだろうし、怒ってもう二度と来ないという人はいるだろうけれども。

僕自身、ボラカイのフィールドワークが中々うまく進まないということも含め、毎回毎回驚きの変化や興味深い出来事が起こるギャンブル性の中に、この島にリピートしたいという強い欲望を感じている。でもやはり、次回はもう少しだけコンディションがいい時期に。ぜひ青い空に白い砂、そして美しい夕陽を。

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曇天のホワイトビーチ、誰もいない

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ホワイトビーチ沿いに立てられた風除け

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