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promised

英語で「約束」を意味する 'promise' には、「約束ね!」という 'Promise me!' の意味合いと、「約束の(希望の)土地」とか「約束された未来」という 'promised land' とか 'promised future' みたいな意味合いがある(と思うが正しいだろうか)。

つまりは、誰かと何かを約束する際に、それを守らなくてはならないという「拘束」と、それが前もって期待されているという「希望」の双方の側面を持っているということ。「婚約」という約束もその例外ではないのではないか。全力で婚約中の僕は、そんなことをふと思い至った。

婚約者が数日後に、名古屋を訪れる。入籍以降の諸々の事柄を相談したり、予測したり、決めたりするために。大好きな人が、一瞬でも長く傍にいて欲しい恋人としてはとてもうれしいことだけれども、promisedな関係においては、「拘束」の部分がお互いにとって前面に出たりして、あんまりよくないなと思う。婚約というpromiseは、本来は、願わくば、互いの生活や人生を愛情という賭け金によって文字通り約束された「希望」へと塗り替える局面を強く含み込まななければならないはずなのに、「しなきゃ」とか「やらなきゃ」とか、どうしても拘束されている感じが抜けない。

いっそのこと、全部投げ出して、二人でロードスターでどこかに逃避してしまおうかとも思うけれど、さすがにね。これをマリッジ・ブルーと世の人は呼ぶだろうか。ただ、言い訳をしておくと、彼女と一緒の人生は願う以上の僥倖であることは変わりなく、むしろそんなピュアな僕のロマンを世の中のいくつかの事情が邪魔することに腹立っている。「拘束」よりも「希望」の約束を。そういう関係を作りたい。

映画「エージェント」のトム・クルーズは、(多分)ビジネスクラスでのCAとの会話で、「僕の婚約者は…」と雄弁に語っていた。結局、空港で出会った別のシングルマザーの女性と恋に落ちてしまったのだけれども。

以上、「婚約」中というリミナリティゆえの、少し長めのつぶやきに過ぎない。

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年越しはNYで

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

年賀状は返事を書く以外やめてしまったのだけれども、この場を借りての新年のご挨拶です。そして、このエントリーはデルタ航空、NY発ラスベガス行きの機内からの投稿。フライト中に機内で、無料の無線LANが使えるなんてすばらしい。さらに、このフライトはオーバーブッキング気味だったらしく、僕の座席がエコノミーからビジネスに変更になったという幸運。夜景が綺麗に見える空の上から、ジントニックを飲みながらの更新です。

年越しは、予定通りNYで。(残念なことに滞在中にはちょうど不在だった)NY在住の姉が紹介してくれたサブレット(又貸し)のアパートは、アッパーウェストの居心地のいい部屋で、4日間だけれどすばらしい滞在だった。数日前までの豪雪で雪景色のセントラルパークを散歩して、ジョンとヨーコが住んだダコタ・マンションのすぐ近くにあるストロベリーフィールズで「イマジン」を演奏するミュージシャンの歌声に聞き入ったり、セントラル駅の中にあるオイスターバーで牡蠣とワインを堪能したり、酔っ払って偶然入ったジャズクラブで心震わすライブに出くわしたり、こんなに観光客が多いのにボックスオフィスにダメもとで直接行ったら僕と友人2枚分の「Stomp」のチケットが手に入ったり。10年以上ぶりのNYは、今の自分のスタイルに程よく合わせてくれているようで、あまり良くなかった前の滞在時の印象をすっかり変えてしまった。多分それは、この10年で僕が変わったことよりも、ミッドタウンの喧騒からやや距離をとっていたことと、NYがおいしいワインと地ビールが飲める街に変わっていたことが大きく影響しているのだろう。

そしてメインはやはりタイムズスクエアでの年越しカウントダウン。大学生の頃に、このイベントを主題にした芝居の役を演じてから密かに心に留めていたのだけれども、まさか本当に実現するとは。結論から言うと、人生で一度は経験しておいて後悔はないというか、多分もう二度と行かなくてもいいというか、行かないだろうというか。決して良くなかったわけではなく、ひどく労力を要求してその分充実感も与えてくれるイベントなので、そんなエネルギーが満ちたときに再びということで。

防寒対策でかなり着込んで午後3時にタイムズスクエアに行くと、47丁目辺りから人だかりで前に進まない。アメリカ国内外から100万人も集まるらしく、そりゃそうだろう、無理だろうと。じゃあ、諦めて帰るかと思っていたら、何となく入場規制は逃れたようで、45丁目辺りの特設のサブステージの前に場所を確保することができた。しかもそこはマクドナルド前。その場で陣取ってさああと9時間、極寒の中待機するかと覚悟したが、うまい具合に柵を越えて通常営業しているマクドナルドと行き来できる状況になった。4時から6時まで、8時から10時までの2回、マクドナルドで温かい飲み物を飲んで寒さを逃れたことで、何とか0時のカウントダウンまで持ったと思う。それがなければ、立ちっぱなしの疲労か、体の芯まで到達する寒さにやられてリタイアしていただろう。普段は全然使わないマクドナルド、ありがとう。でも治安維持を理由にトイレ使用不可にするなら飲み物も売るべきではないと思う。僕は幸い大丈夫だったけれど、緊急の人たちが絶望的に懇願するのを断固として断る極限状況を何度も目にした。そもそもこのイベント自体に大量に警官が投入されて、飲酒やトイレなど様々な制限がなされていて、911後のアメリカで大きなイベントをすることの困難と矛盾を感じさせた。

疲労がピークに達した0時のカウントダウン、朦朧とする意識の中で最後に「イマジン」の演奏がされて、1分前からカウントダウンがあって、タイムズスクエアのビルから花火が打ちあがり、ボールが落ちる。あまりにあっけなくて、終わった後の余韻を楽しむ気にもならず、僕たちはすぐにその場を立ち去った。周りにいた他の人たちは、その後どのくらい新年を祝ったのだろうか。僕たちはといえば、とても空腹だったのでピザ屋に入ってピザを食べ、ビールとワインで新年の乾杯をやり直した。なんというか、2010年から2011年に暦が変わるという自分の人生の中のすごく小さな出来事には、あの大げさなイベントはふさわしくないというか似つかわしくないようで、やや気恥ずかしくて、酔っ払うまでビールとワインを飲んでから帰途に着いた。

今年の抱負。とりあえず当面のいくつかの仕事を世に送り出すこと。そして、無事に結婚したら、これまですごくアンバランスだった自分の人生をチューニングして、一人の成人男性として、既婚者として生きていけるように整えること。研究者であると同時に、いやそれ以前に自分は一人のヒトであることを再確認したい(まるで宇多田ヒカルの「人間活動」宣言のように)。それはつまらなくなるためでなく、より幸福であるために、楽しく生きるために。そんな感じでどうでしょうか。

みなさまにとって、どうか良い一年になりますように。

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牡蠣!

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雪景色のアッパーウェスト

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ストロベリーフィールズの「イマジン」演奏者

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人気の「Shake Shack」のShack Burger。ハンバーガーなんて何年ぶりかだったけれど、テイクアウトしてベンチで食べるたらとてもおいしかった。

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12月31日午後3時過ぎの7番街。もうすでに人だかりで前に進めない。

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警察の警備も厳重。

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ニベアがスポンサーでテーマは「キス」。帽子と風船が配られた。僕はマクドナルドでもらい損ねたけれど。

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1時間ごとにカウントダウンがあって、20時ごろから次第に盛り上がってきた。

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1分33秒前。

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14秒前。東芝ビジョンの上に見えるのが落ちてくるボール。

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ニューイヤー直後。花火は意外と小さかった。お疲れさまでした。

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